2012年2月23日木曜日

2011大阪インターナショナルダンス選手権第2予選スローフォックストロット



(財)日本ボールルームダンス連盟(JBDF)西部総局主催の2011大阪インターナショナルダンス選手権プロフェッショナル・スタンダード, 第2予選、スローフォックストロットの模様です。

2011年6月全英選手権(ブラックプール)第5位のNO.60 Domen Krapez、Monica Nigro組(スロベニア)を始めとして、NO.63 露口宗与志・田村綾子組、NO.58 田松周一郎・花盛香織組、NO.55 小杉具也・小杉伸江組、NO.48 豊嶋慶一・中里絵梨子組、NO.54 菅井 学・尚和 由里子、NO.51 尾崎和史・加治屋真貴組、NO.47 仲秋 彰耀・仲秋 潤組、NO.65 角田泰章・角田佑歌組、NO.61 前田雅仁・宮崎 梢組など東部総局を含めたJBDFを代表するプロ達が出場しています。

このビデオも前々回のタンゴ、前回のワルツと同様に決勝ではなく2次予選を取り上げているのは、12組~14組で踊る場合のフロアクラフトを学ぶためです。

まあ、このプロたちのフロアクラフトの技術は、超初心者ぞろいのダンスファイナル会員の皆さんと比較するのは無理があるかもしれませんが、大混雑の状態で踊るときの接触回避の根本的な方法は同じです。

その根本的な接触回避の方法は予(あらかじ)め相手の動きを予測して、自分の動きとの接点を予測して、事前に歩幅を調整する、あるいは方向を変えるということです。

ぶつかる直前になって行動を起こすのではなく、その数秒前にこれから起こるであろう事態を予測して、それに対処する行動を起こさなくてはなりません。

この「競技会における予測」という能力は実際に競技会に出場して経験を積む以外には習得する方法がありません。

競技会は同じランキングの者が同じ方向に、同ような速度で、同じようなフィガー・アマルガメーションで踊り出しますので、自分のアマルがメーションで他の者と接触する場所はだいたい決まってきますので、その経験の積み重なりで、相手の動きと自分の動きの接点を予測できるようになります。

この、競技会独特の状況を何度も経験して、その経験から対処方法を記憶に蓄積します。

そのためには、競技会を練習の場として認識して、時間が許す限り何度も競技会に出場する必要があります。

しかし、その経験を十分に積んだボールルームダンス技術の最高レベルといってもいいプロ選手達にも、接触を回避できないことが多々起こるのが競技会です。

このビデオでも、大混雑の中で皆さんと同じように、フェザーステップから始まって、スリーステップに入るときにさらに距離が縮まって、身動き取れないような状態になるのがわかるわけですが、プロたちはそこでフィガーを変えるということはせずに、歩幅・方向を調整して距離を保ちルーティン通りに踊り切る努力をしています。

その大混雑状態で53番の選手が止まってしまうわけですが、その後、みごとに音に乗ってスリーステップを継続しています。

わたしが皆さんに、「ぶつかるのは当たり前、その後が大事」と言ってるのはこのことです。

ぶつかった後の対処の仕方次第で採点に結びつくことが多々ありますし、逆に焦ってホールドが緩んだり音をはずして動き出せば審査員には無視されます。

ですから、ぶつかった場合も頭の中には音楽が継続して流れていなくてはなりません。

どんなことが起きても、音を取り続けなければならないのがダンスの生命線ということでもあります。

さて今回は、このビデオのように、スローフォックストロットを12組以上の大混雑の状態で踊った場合の状況を観て、目立つフィガーは何かという問題を考えましょう。

ここで、目立つのは、もちろんピクチャー・フィガー(ライン・フィガー)ではありませんし、特殊なバリエーション・フィガー(アドバンスド・フィガー)でもありません。

スリーステップ、ウィーブ、ウェーブ、フェザーフィニッシュと言った、スロー・フォックストロットの代表的なベーシック・フィガーがやたらと目立ちますし、どのプロもそれを中心にルーティンを組んで踊っています。

現在のボールルームダンス競技会の採点方法は、特殊な場合を除き、多数で踊り、それを相対評価で、より優れたものにチェックを入れるという方法ですので、当然、同一のフィガーを比較した方が採点しやすいわけです。

そうなると、他者が行なっておらず極端にいえば何をやっても自由なバリエーション・フィガーよりは、見慣れていて誰もが行うベーシック・フィガーを比較して採点するということになりますので、よりベーッシク・フィガーを重点的に練習することが大変重要になります。

もちろん、JDSFのC級以下の超初心者ともいえる話にならないレベルのダンスファイナル会員の皆さんは、このベーシック・フィガーを中心に練習をくり返して、正確で熟練度のあるものにすることが採点に繋がり、昇級の近道となります。

それには、スロー・フォックストロットの要素が全て入っているフェザーステップ、リバースターン、フェザーフィニッシュ、スリーステップの基本フィガーを何万回も練習しなくてはなりません。

その「何万回」の練習が嫌なら、競技ダンスはお止めになることをお勧めします。

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2012年2月21日火曜日

2011大阪インターナショナルダンス選手権大会準決勝ワルツ



(財)日本ボールルームダンス連盟(JBDF)西部総局主催で行われた2011大阪インターナショナルダンス選手権大会準決勝ワルツの模様です。

世界レベルのトップダンサーであるNO.60 Domen Krapez、Monica Nigro組(スロベニア)を始めとして、NO.96 橋本剛・恩田恵子組、NO.47 仲秋彰耀・仲秋潤組、NO.42 菅谷和貴・尾崎育代組、NO.6 本池 淳・武藤法子組、NO.56 木下喜一郎・木下尚美組、NO.22 末富崇仁・藤本尚子組、NO.33 浅村慎太郎・遠山恵美組、NO.87 三輪嘉広・三輪知子組、NO.17 工藤洋司・工藤亜由未、NO.54 菅井 学・尚和 由里子組、NO.69 岡田大輔・菱田純子組など、JBDFの東部総局も含めたトッププロが総出演ですので、現在の日本の競技ダンス人口数万人の頂点の踊りであるといえるわけです。

決勝ではなく準決勝を取り上げたのは、前回のタンゴ同様に皆さんの大変苦手なフロアクラフトを学ぶためです。

トッププロたちが自分たちのルーティンを保ちつつ、大混雑のフロアでどのように接触を回避し、あるいは方向性を変えるのか,老化で萎縮硬直した硬い頭をなんとか柔軟にして理解認識してください。

まあ、フロアクラフトも含めてそこから何を学ぶかは、個々人の能力、技術レベル、あるいはその目指す方向性によるわけですが、競技ダンスの生命線が「音」と「形」と「ストライド」であるというダンスファイナル3原則に照らし合わせて、何度も見て、プロの技術を学んでください。

「学ぶ」というのは「真似る」と語源を同一にした言葉ですので、文字通り、その方法動作を理解して「真似る」ということがダンスを学習するということになります。

そうはいっても、見るだけでそのまま真似ができて進歩の早いジュニアや学連とは違い、老化により脳の海馬が著しく衰えてほとんど機能していないわれわれ中高年ダンサーには「真似る」こと自体が困難不可能に近いことかもしれません。

それでも何度も見れば、大脳の前頭前野と運動領野にあるミラーニューロンという見たものを自分の行動・動作・経験とする脳の神経組織が働いて、それなりにおなじ動作行動をしようとするようになりますので、あきらめずに「いいもの」を「見る」ことを練習の一環としてください。

この「いいもの」というのは、日本のトッププロあるいは世界のファイナリストの踊りであって、皆さんが練習場などで日常的に目にするJDSFのC級も含めた下位級のにっちもさっちもいかない、ダンスといえるかどうかも怪しい踊り・技術・理論を参考にしてはいけません。

このことを、いつも口を酸っぱくして言ってるわけですが、そのにっちもさっちも行かない下位級の踊りをさらにビデオに撮って参考にしている人もおられますが、言語道断な愚行ですので絶対にしてはいけません。

見るものは良し悪しに関わらずあなたの脳に蓄積されてしまうということを考えて、日本一あるいは世界一の踊りを見るようにしてください。

たとえ、6級5級の選手でも、その延長線上には世界のトッププロの踊りがなければいけません。

人間というものはどうしても高いところへ向かうのは不安困難を感じて、楽そうに見える低いところに安心感を感じて、低い方へ低い方へと流れようとするわけですが、低い方は迷路に迷い込む闇であり、光は高い方にあるということを理解してください。

そうはいっても、まあ、光に向かうのか暗闇に向かうのかは、その人の趣味嗜好ですのでなんとも申し上げられませんが、少なくともダンスファイナルに縁があって集まった皆さんは光の方向である世界のトッププロの踊りを参考にしてください。

まあ、悪口雑言はこれくらいにして、今回のビデオはワルツですので、ワルツの審査基準に基づいた実践的な踊り方について解説します。

このビデオのトッププロ達のワルツのナチュラル・ターンの最初の一歩であるプレパレーション・ステップも含めたストライドと、ワルツの生命線である「スウェイ」に着目してください。

どのプロもほとんど同じストライド・歩幅で同じスウェイの角度であるということを認識できると思いますが、つまり、このプロ達のストライドとスウェイの角度が正しい技術であるわけです。

まあ、歩幅つまりストライドに関しては、超初心者老人老婆勢ぞろいで脳の萎縮及び筋肉の萎縮で運動能力が瀕死の状態のダンスファイナル会員の場合は、皆さんが命がけで広げた歩幅がこのプロ達の半分もありませんので、比較するのは物理的に無理があるかもしれませんが、「スウェイ」は皆さんにもこのプロ達と同じ角度が不可能ではありません。

ワルツのダンスとしての特徴は「ライズ・アンド・フォール」と「スウェイ」ですので、それがなければ、極端に言えば「ワルツ」ではないわけです。

そのなければならない技術の一つである「スウェイ」を実践的テクニックとして、この日本のトッププロのスウェイを参考にして、そのイメージを捉えてください。

このプロ達の踊り方から何がわかるかというと、スウェイした時の左手が頭頂部より上部にあるということです。

つまり、左手の位置が頭よりも高いということです。

しかし、このことを間違えて理解すると、「肘を上げてしまう」ということになります。

そうではなく、ホールドの中心である肩から肘にかけては水平十字を保ち、脊椎骨つまり背骨の首の付根から下の胸椎の7番目あたりを蝶番(ちょうつがい)として、そこから上を45度ぐらいに傾けるということを理解してください。

ダンスファイナルでは両肘の位置・高さの基本が肩を中心とした高さと解説しているわけですが、手・掌の位置はだいたい眼の高さということになりますので、その位置を保ってナチュラルターンで最終的に45度ぐらいに傾けた場合は、左手の位置は頭頂部よりも上ということになります。

しかし、この最終的な頭頂部に左手が上がった時に、右の肘を上げてはいけませんし、左の肘を下げてはいけません。

あくまでも、首の付根と肩を中心とした十字を維持したまま、左手が頭頂部よりも上になるように胸椎の7番目当たりから傾斜させます。

まあ、これを言葉でいくら説明しても、理解出来ない人は理解できませんし、たいていは勘違いして理解しますので、このビデオのトッププロのスウェイをよく観察して、自分のナチュラルターンをビデオに撮って、それを比較して、プロの動作に近づけるということを根気よく繰り返してください。

この、「根気よく繰り返す」ということが、審査上の重要な要素である「熟練度」ということにも繋がります。

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2012年2月13日月曜日

2011大阪インターナショナルダンス選手権大会準決勝タンゴ



2011年に行われた(財)日本ボールルームダンス連盟(JBDF)西部総局主催による、2011大阪インターナショナルダンス選手権大会準決勝タンゴの模様です。

背番号60が Domen Krapez、Monica Nigro組(スロベニア)です。

Domen Krapez、Monica Nigro組は2011年6月の全英選手権(ブラックプール)第5位、2011年1月UKオープン第4位の世界のトッププロダンサーです。

Krapez選手の爆発的なタンゴ・ウォークを参考にして、先日の練習会で解説したタンゴ・ウォークの「ストライド」ということを理解してください。

ただ、このKrapez選手のウォークからのリンクはバリエーションとしての構成ですので、リンクしてから、ステップはありませんが再度フリックしてリンクしてますので、皆さんが行うベーシック・フィガーとしてのウォーク・リンクとは違うということを念頭においてビデオを見てください。

皆さんはあくまでも、S,S,Q,Qとベーシックに忠実に踊らなくてはなりません。

それを踏まえての皆さんなりの限界のストライドということになります。

また、ビデオで見ると、大した歩幅ではないと感じる方もおられると思いますが、実際にこの踊りを間近でみると、考えられないくらいにとんでもなく大きな歩幅であるということを理解してください。

皆さんが必死で広げたウォーク・リンクの歩幅は、Krapez選手の半分もありません。

しかし、それでも、競技においてはこのような爆発的なムーブメントがなければ、上級になるほど通用しなくなります。

わたしも含めて皆さんがこのトッププロの踊るフロアでいっしょに踊ってビデオに映った場合には、半分の歩幅もありませんから、命がけの歩幅で踊っても、ほとんどカタツムリのようにのろのろもそもそと動いているだけという感じになります。

さらに、今回、決勝ではなく準決勝を取り上げた理由は、皆さんが実際に最高の踊りを見せなければならないのは、この準決勝であるからです。

競技ダンスの目的はもちろん「昇級」ですので、決勝進出が目的になるわけです。

とにもかくにも決勝に進出しなければ、極端にいえば、準決勝敗退も1次予選敗退も同じ事ということになります。

そうなると、準決勝までの踊り方、つまりフロアクラフトが最重要な問題ということになるわけです。

まあ、決勝戦でも、同点で7組であったり、昇級対象が5組で1組落ちるという場合もありますが、その場合でも、基本的には6組で踊る決勝戦では選手同士の接触、接近、ステップの中断などはあまりありませんので、それほどフロアクラフトに神経を使う必要はありません。

しかし、準決勝までの12組から14組の大混雑の状態で踊る場合には、その大混雑で頻繁に発生する接触、接近、中断に対処するフロアクラフトが重要になるわけです。

この準決勝には、前述の Domen Krapez、Monica Nigro組の他に、NO.42 菅谷和貴・尾崎育代組、NO.6 本池 淳・武藤法子組、NO.96 橋本 剛・恩田恵子組、NO.47 仲秋彰耀・仲秋 潤組、NO.87 三輪嘉広・三輪知子組、NO.22 末富崇仁・藤本尚子組、NO.33 浅村慎太郎・遠山恵美(Emi Tooyama)組、NO.54 菅井 学・尚和 由里子組、NO.56 木下喜一郎・木下尚美組、NO.17 工藤洋司・工藤亜由未組、NO.69 岡田大輔・菱田純子組など、現在の日本を代表するトッププロダンサーが総出演ですので、フロアクラフトも含めた現在の日本のボールルームダンスの審査基準における頂点の技術と音楽的表現を見ることができ、学ぶことができるわけです。

まあ、実際にはプロダンサーですので、身長も180㎝以上が大半で、我々には広すぎるフロアが大変狭く見え、大混雑で踊っているわけですが、それでも、方向性を変え、ステップの歩幅を変え、うまく接触を避けて選手同士の間隔を保って踊っています。

現在の競技ダンスは、競技ダンスの黎明期のようにパーティーダンスの延長線で、その時々その場その場でステップ・フィガーを変えて踊るということはしません。

自分たちに一番合ったフィガーを選び、それをアマルガメーションに組み、そのルーティンを何度も練習して、そのルーティン通りに踊るというのが一般的で、たとえプロの世界チャンピオンでもそのように練習し、そのように競技会で踊ろうとします。

競技会において、接触したり、遮られたりしても、出来うる限りその練習してきたアマルがメーション・ルーティン通りに踊ろうと努力するわけです。

それは、現在のように高度になったボールルームダンスの競技会では、十分な練習をして十分な習熟度がないと通用しないからです。

たとえば、ソロで踊るフィギュアスケートの選手はあのルーティンをその場の思いつきでやっているわけではなく、得意なステップを組み合わせて、その構成を審査員に提出して、基本的にはその構成通りに踊ります。

しかし、ボールルームダンスの場合は特殊な場合を除いては、大勢で大混雑の中で踊らなければなりませんので、問題が出てくるわけです。

しかし、それでも、練習していないことをその場しのぎでやっても採点には結びつきませんので、やはりルーティン通りに踊る努力工夫をした方が、採点、昇級に結びつくことになります。

パーティーダンスのようにその場その場で適当な思い付きでステップを変えて踊ると、表現したいことが女性に伝わるわけもなく、当然、一体感は損なわれ、ストライドも最小限になりますので、現在の競技ダンスとしては大変不利になります。

それで、できるだけフィガー、アマルガメーションを変えずに踊るということは、接触あるいは遮られる状態が発生した場合には、方向性を変え、ステップの歩幅を調整し、それでもだめな場合はタンゴの場合はプログレッシブサイドステップなどで移動して、本来のルーティンを続けることがフロアクラフトであるということになります。

このビデオの後半ででKrapez選手がそのルーティンに合わせようと、フロアの端をプログレッシブサイドステップのカニの横歩きで、そのプレイスまで移動して音を合わせ踊りだすのがわかります。

それで、アマルガメーション・ルーティン通りに踊るということは、当たり前ですが、アマルガメーション・ルーティンを組まなければならないわけです。

しかし、JDSFのC級以下の中高年ダンサーには、その「ルーティン」を組むことすらできない選手が多々いることに驚くわけですが、それでも、圧倒的な練習量と数十年という時間をかければC級程度にはなれるわけです。

超初心者勢ぞろいで、中高年と言うよりは老人老婆勢ぞろいのダンスファイナル会員諸氏には数十年という時間はあるわけもありませんので、ルーティン通りの練習を効率良く繰り返して、競技会ではその通りに踊ることが重要であることはいうまでもありません。

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