2014年3月24日月曜日

競技ダンス実践テクニック「ルッカ・バリッキに学ぶバランス」


Slowfoxtrot


Waltz


Quickstep


Tango

元世界チャンピオンのLuca Barrichi(ルッカ・バリッキ)は、私の先生の先生ですので、私は孫弟子に当たると言えるかもしれませんが、もちろん私の踊りは、このまぎれもない天才ダンサーであるLuccaの万分の一にも比肩できるものではありません。

しかし、私の踊りの原点がこのLuca Barrichiにあるのは否めませんし、競技ダンスを始めた十数年前のまったくの初心者で会った時期に、Marcus Hilton(マーカス・ヒルトン)、Andrew Sinkinson(アンドリュー・シンキンソン)とともに大きな影響を与えられたダンサーです。

日頃のレッスンで、わたしが皆さんに解説しているボールルームダンス・スタンダード種目における競技ダンスとしての理論は、私の先生を通して、このLuca Barrichiから学んだ理論が大半であるということができます。

それで、今回はLuca Barrichiのダンス理論の中核をなす「バランス」について解説したいと思います。

ダンスのもっとも基本となるものは、ポスチャーとポイズですが、ポスチャーは男女それぞれがバランスをとって垂直に立ち、よりよく踊るための理論であり、ポイズは二人で組んだ時にバランスをとり、よりよく踊るための理論です。

立つということはバランスをとらないことには始まりません。

とくに競技ダンスの場合は、片足のつま先で極限までライズして動く場面が多々あり、またそれを二人で組んでボディコンタクトをとり、複雑なステップ及びフィガーを構成しなければなりませんので、バランスをとるのが大変困難になります。

二人で立つ以前に、特にカップル構成要素の「リーダー」である男性は一人で立ってそのフィガーの構成であるルーティンを完璧に踊りこなせなければなりません。

リーダーである男性が一人で踊れないものが、二人で組んで相手をリードして踊れるはずがありません。

そのためには、男性は一人で音楽に合わせて、シャドウを何万回も繰り返すことが必要です。

女性の構成要素はフォロワーですので、男性のその完璧なシャドウの邪魔をしないということが第一の条件で、相手の動きに合わせ、フォルム、シェイプを完璧に形成して、それを崩さずに、ボディコンタクト位置である「コア」を常時認識して踊るトレーニングをします。

極端にいうと、女性は一人で馬鹿丸出しで夢中で自分勝手なシャドウをするよりも、とにかく男性と組んで踊ることが必要であるということです。

しかし、女性も最低限の基本的なステップやルーティンは覚えなければならないのは言うまでもありません。

そうは言っても、高齢で脳委縮筋萎縮の進んだ無能力者の集まりである我がダンスファイナル会員諸氏の場合は、男性が一人では音も満足にとることができないカップルが少なからずおられますので、男性一人でシャドウをこなすこともできない人もおられて、この基本的なメソッドが不可能であるという現実に愕然慄然で爆笑させられることもしばしばということになります。

しかし、そこで諦めてはデイサービス老人介護ボランティアとしてのダンスファイナルの御役目が果たせませんので、機能回復リハビリのカリキュラムをいろいろ考えて、レッスンに反映させていかなければならないわけです。

それで、まず、ポスチャーを作るポイントですが、もちろんこれは「正しく立つ」ということが基本になります。

正しく立つというのは、頭、肩、腰、足の接地点の4点が、重力の逆方向に一直線上に垂直に保たれているということです。

ところが、この頭、肩、腰、接地点の4点を垂直に保つというのは容易ではありません。

競技ダンスの場合は、フォルムを美しく見せるために、男女とも若干反り返ってホールドを組みますので、さらに困難になります。

それが、動き出すとさらに困難さは増して、複雑なバリエーション・フィガーの最中には、4点が垂直であることを意識することすら無理難題となります。

そこで、Lucca理論では、そのためには「アッパー・スパイン(Upper Spine)を軸足の接地点に垂直に保つ」ということが言われます。

Upper Spineの本来の意味は字義どおり「背骨・椎骨の上部」ということですが、この場合は、胸椎骨12個の最上部の第1胸椎骨である「首の付け根」を指すダンス用語という捉え方をしてください。

この首の付け根のアッパー・スパインが、どんなにスウェイしても、反り返っても、回転しても、常に重心のある軸足の接地点に垂直の位置に保たれるようにすれば、ポスチャーの4点が正しく保たれ、また、正しく立っているということができます。

このことは男女ともに共通なわけですが、ともすると、女性の場合は程度の低いコーチのお仕着せで、腰の股関節付近を押し付けることがコンタクトであると勘違いして、腰が前に出た妙な形が習性となって、ポスチャーがまったく構成されていない人が多々おられるわけです。

この腰を前に押し出して長期間に渡ってダンスを行うと、膝関節に著しく負担が掛かり、やがては病院でヒアルロン酸注射のお世話になるということになります。

実際に私がその腰を押し出した立ち方で立ってみると、膝に負担が掛かって立っていられたものではありません。

この動くことすら困難な体形体勢で、多くの女性が日々踊っているわけですから、奇跡のステップというほかありませんが、その結果、多くの女性ダンサーが膝や腰を痛めて病院通いをしておられるわけです。

正しいポスチャー、正しい立ち方であれば、膝や腰への負担は最小限で済みますので、腰や膝関節を痛めることはありません。

我々中高年老人老婆ダンス愛好家にとっては、本来は健康法であるべきはずのダンスが、不健康法になっていることに何の疑問も抱かず、あいかわらす程度の低いコーチのくだらないレッスンを漫然と受けて、腰や膝関節を壊して、こともあろうに病院通いになっている方が多々おられることに非常に危惧を感じます。

しかし、当人はそれが当たり前になっているのか、アタマのネジが緩いのか、たいして問題と感じていないことに驚きます。

どんなことがあっても身体を痛めてはいけませんし、無理負担を掛けてはいけません。

痛みをがまんして、間違ったコーチ・先生あるいは先輩選手のいうことを聞いてはいけません。

どこかが痛くなったら、そのコーチ・先生は間違っていますので、即刻、教室やサークルをやめることが必要であり、当たり前です。

あろうことかコーチ・先生自身があそこが痛いここが痛いと言ってるような場合は、もうこれ論外ですので、そのコーチ・先生に習っているあなたのバカさ加減と脳味噌の腐り具合を疑いましょう。

正しい立ち方、正しい踊り方であればどこも壊れませんし、病院通いになるなんてとんでもない事態にはなりません。

ダンスファイナル会員にも膝関節や腰を痛めてヒアルロン酸注射やブロック注射のお世話になっている方が幾人かおられますが、例外なく、ダンスファイナルに来る前に、わけのわからないコーチにより、わけのわからない間違った立ち方踊り方を教え込まれた結果です。

まあ、日本中の無能力なクズゴミコーチを敵に回す悪口雑言はともかくとして、これは女性に腰の股関節付近を押し付けるなということを言っているのではなく、男女とも正しく立った場合は股関節付近はコンタクトしようがないと言うことです。

その正しいボディ・コンタクトをLuca理論では男女の右の肋骨と肋骨を噛み合わせるという言い方で表現されます。

しかし、もちろん、カップルバランスが各組それぞれですので、必ずしも右の肋骨と肋骨が噛み合うわけもありませんし、ホールドの形状から頭部をAway(離す)させるために、実際にコンタクトするのはお互いに肋骨の下の肝臓のあたりということになります。

この動画のLuca and Loraine Barrichi組の踊りを見ても分かる通り、男女間の股関節部分はコンタクトするというよりも、逆に隙間が空いているということがわかります。

このように男女がお互いに正しいポスチャーで立てば、股関節部分は開くということに気づいてください。

その立ち方で男女が横に半分ずれて、右側の肝臓あたりの位置をコンタクトした部分が、前述の「コア(中核、中心)」ということになります。

スタンダードダンスにおける全てのムーブメントはこのコアを中心として行われなければなりません。

男女が組んで立った時は、コアを常に意識して踊ることが必要です。

しかし、コアの他に、ポスチャー維持のためにはアッパー・スパインも常に意識しなければなりませんし、音も常に意識しなければなりませんし、ホールドも常に意識しなければなりません。

これを全部同時に行うことは、どう考えても、実際には無理難題不可能であることが、脳味噌が腐りかけた皆さんにもご理解いただけると思います。

それを解決するのは「練習」に他なりません。

それらが身体に入り、意識しなくてもそのようになるまで、ひとつひとつ個別に練習することが必要です。

しかし、ルーティンも満足に覚えられないような、競技選手にあるまじき皆さんのおそまつな練習量でそれを期待するのは無意味であるのが現実ですし、さらに、人生の夕暮れ時は遥かに過ぎて闇夜を歩く老い先短い会員諸氏の残された時間を思うと、私は日々、苦慮困惑し、どうしていいかわからないわけですが、解決策として神に祈る毎日です。

神よ信仰なきわれを助けたまえ。

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