2015年10月7日水曜日

競技ダンス実践テクニック「アファメーション」



2015年8月の12日~16日にわたって行われた WDSF 22nd German Open Championships のスタンダード決勝の模様です。

決勝順位は以下の通りです。

1. Simone Segatori - Annette Sudol ドイツ
2. Dmitry Zharkov - Olga Kulikova Russian ロシア
3. Evaldas Sodeika - Ieva Zukauskaite リトアニア
4. Nikolay Darin - Natalia Seredina モルドバ
5. Francesco Galuppo - Debora Pacini イタリア
6. Bjorn Bitsch - Ashli Williamson Denmark デンマーク

昨今はWDCとWDSFの半目も硬直化して、出場規制により所属アマチュア選手の交流もありませんので、WDSFのアマチュア選手の間では Blackpool ではなく、この German Open がすっかり最高峰の舞台となっています。

この動画ではSimone Segatori-Annette Sudol組を始めとして、各国のチャンピオンの共演ですので、ホールド、ファイガー、ステップ、ストライド、音楽さらには最新の化粧法やドレスの流行など、皆さんが方向性とすべきあらゆる情報が満載です。

何度も繰り返し見て、自分の踊りの方向性を修正し、あるいは確認してください。

さて、会員諸氏はすでにご存知の通り、6年前にダンスファイナルに参加した当初は5級になったばかりで、音の取り方もステップもでたらめという、全く踊れない状態であったBB組が、JDSF主催の競技会において、同日に2種目で準優勝してDSCJスタンダードB級に昇級しました。

これは、BB組のリーダーの全く無経験からダンスを始めた年齢、さらには、恵まれない身長と絶望的な音楽センスと言うハンデなどを顧みると、ひとつの奇跡と言ってもいいぐらいの快挙です。

また、レッスンは高額なトッププロに受けているというわけではなく、コーチである私本人の認知症予防が目的の無料の口から出まかせでたらめレッスンを、多くて1日に10分~15分程度を月に5~6回で、さらには毎年、家庭の事情で半年間は練習休止という絶悪なコンディションの中でのB級昇級ですので、昇級に苦しんでいる選手には夢と希望を与える快挙であると思います。

その昇級に苦しんでいる選手の苦しみの原因の大半は、低レベルなコーチの指導が脳に強固にプログラムされていることにあります。

まあ、低レベルと言っても、少なくともプロの場合は、趣味で教えてるシロートの私よりも低レベルなコーチはいないはずですが、これがそうでもないのは、ダンスファイナル会員諸氏はいやというほど実感されているわけです。

たとえば、長期間プロについても成績が低迷していた選手が、ダンスファイナルに参加したとたんに準決勝や決勝に行き、あるいは無級の選手が数ヶ月でD級に昇給するということが、ダンスファイナルでは当たり前になっています。

もちろん私の日本語が理解できない方もおられますので、全員が全員というわけではありませんが、私の日本語が理解できる場合は絶望的な高齢であっても信じられない速さで昇級するわけです。

BB組の快挙が私の日本語を理解できる場合の典型的な例です。

私が、全く踊れない状態の5級当時のBB組に最初に指導したことは、私以外の指導を受けないということに加えて、目標はB級昇級とすることであり、さらなる目標はA級競技会出場であるということでした。

まあ、どんな形でも若いころに社交ダンスの類いを踊った経験がある場合はともかく、全くの無経験から始めて音もステップも皆目わからないという高齢で5級の初心者に対してA級競技会に出場するという目標はまったくナンセンスであるわけです。

しかし、このナンセンスな目標をBB組リーダーが素直に受け入れたことが、奇跡とも思える快挙に結びついたわけです。

私がBB組に指導した方法が、今回のテーマの「アファメーション」です。

アファメーションは国際コーチ協会会長であったルー・タイス氏の著書によって有名になりました。

アファメーション(Affirmation)とは「断言」「肯定的断定」あるいは「自分で自分に語りかける言葉」という意味合いですが、コーチングにおいては、ナンセンスなぐらい実現不可能と考えられる高い目標を持つことにより、自己の持つ最大限の能力を引き出すテクニック理論です。

絶対に実現不可能と思える高い目標を持つことにより、いわば脳のプログラミングを変えてしまうという方法です。

実現できると思える範囲内の目標では、当然、脳に変化は起きませんので意味がありません。

たとえば高齢で5級の初心者でも4級や3級になることは十分に可能な範囲内の目標ですので脳に変化はありません。

脳のプログラミングを変えるには、どう考えても実現することが可能であるとは思えないようなとんでもない高い目標を定め、本気でその目標に到達できると「確信」することが必要です。

簡単にいうと、潜在意識をコントロールして潜在能力を引き出すテクニックのひとつです。

人間の脳には生命維持のためのリミッターつまり安全装置が常にかかっているために、本来の能力の半分も発揮することができないようになっています。

逆に言えば、そのリミッターをはずせば、自分では思いもよらぬ高度な能力を発揮することができるということです。

ところが、脳の安全装置であるリミッターをはずして、たとえばいわゆる火事場の馬鹿力を出すと、骨にも筋肉にも内臓にも負担がかかりすぎて怪我や障害を引き起こしたりします。

もちろん、脳も同様で、限界を超えると精神に問題が起きてしまう場合もあるわけです。

それを防ぐためのリミッターであるわけですが、これは、ホメオスタシス(恒常性維持)という機能でもあります。

ホメオスタシスは生体恒常性とも訳され、生体が外的・内的環境の絶えざる変化の中に置かれながらも,形態的・生理的状態を一定に保とうとする性質のことです。

これが、思考あるいは精神状態にも反映されて、その人が現在まで生命維持を保ってきた経験上の安全基準に照らし合わせて、「はみ出ない範囲内」の思考あるいは行動をするようになっているわけです。

アファメーションは、生命維持のために強固に「はみ出ない範囲内」の思考あるいは行動を、「はみ出させる」ための方法です。

「はみ出ない範囲内」の思考ということからすると、高齢で超初心者の5級選手が全日本トップ選手の出場するA級競技会に出場するというのは、はみ出るのを通り越して、妄想ということになりますので、そんなことを目標にしろということ自体が馬鹿げたことですので、常識的な人であれば「そんな馬鹿な」と、一笑に付されるのが普通です。

それを素直に受け止めたBB組リーダーの、私の日本語を理解できる知性と資質が結実した結果が、今回のB級昇級であるわけです。

それで、今後のBB組のアファメーションは、B級維持でもなくA級昇級でもなく、三笠宮杯出場さらには世界選手権出場と言うことになります。

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